一生自分の国から出れない人たちがいた。イスラエルにある何も描かれていない分離壁とパレスチナにある描かれた分離壁


2017年4月13日 テルアビブ・ベツレヘム
 
パレスチナ問題って何?って人はこちら
 
 
 
イスラエルに無事到着し、まず向かった場所は首都テルアビブよりちょっと北にある街。
今回はあのカウチサーフィンを活用して宿泊するのです。
 
なんだかんだでまだ2回目の試み。(前回はバングラデシュで
当初はもっともっと使うつもりだったけど全然。なので若干の緊張気味でした。
 

1/2シュケール。イスラエル人の頭の良さを感じる 

 
 
しかし、まさかの駅まで迎えに来てくれて無事合流し、
自己紹介を交えたり周辺の説明やらをしてもらいながら家に招いてくれました。
 
ハリフ(Harif)さん
 
若い頃は同じようにバックパッカーで色んな国を周ってきたそうで、今でいうカウチサーフィンみたいなものを活用し多くの人にお世話になった。だから旅する人は大歓迎だよと言ってくれました。
(名前を忘れてしまったけど、ネットがない70〜90年代にも文通でやり取りし、ホストと旅行者が交流するシステムがあったらしい。そんな時代にすごい!)
 
 
初日はここに泊らせてもらうつもりでしたが、スケジュールどうする?って話をした時に、どうも今日エルサレムやパレスチナに向かった方が良さそうだったので、荷物だけ置かせてもらい、さっそくパレスチナに向かうことにしました。
 
ハリフとの話はまた今度。
 
 
 
 
 
電車とバスとタクシーを使い、パレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)にある「ベツレヘム」に到着。
 

 
色々と予定外の行動だったので、到着はすでに夜でしたが、さっそく噂の隔離壁が目の前に現れ、動揺気味。
 
 
しかしまずは宿に着くのが優先だったので、さらっと見て終わり
そして翌朝さっそくベツレヘム観光です。
 
 
 

この時点ではイスラエルの街もあまり見れていませんでしたが、イスラエルと比べるとパレスチナ側は少し廃れているような感じを受け取れました。
 
しかし、イメージしていた程の貧しさやと途上国のような感じではなく、普通に活気のある普通に人が暮らしている場所だなーというのが最初の感想。
 
 
 
 
 
そして昨日通ってきた道を再度通り、街の外れの方まで行くと、
 
ありました。
 
 

隔離壁(アパルトヘイト・ウォール)
 
壁にはたくさんのパレスチナの平和と自由を願うメッセージやアートが描かれていました。
 
 
Do you want・・・
Do you want freedom of speech?(発言の自由がほしい?)
Do you want freedom of movement?(活動の自由がほしい?)
Do you want justice?(正義がほしい?)
Do you want peace?(平和がほしい?)
Do you want to experience other culture?(異文化の経験をしたい?)
Do you want humanity?(人間らしさがほしい?)
I do.(ほしい)
Since I could think, live and breathe I think of my freedom.(生活や生きることについて考え始めた時から、自分の自由について考えています)
 
I want to live, like most people in the world.(私は世界中の人々と同じように、生きたい)
 
 
Dreaming
I asked a lot of people in Bethlehem: do you have dreams? For now or maybe for in the future? And they all laughed at me and said, no we don’t dream. I asked them why, isn’t it normal to dream and have a dream? No they say, dreams are for kids and for the stupid. We are realistic, dreams aren’t realistic.
For me it was strange to hear that, I always thought everybody has dreams and hopes and visions about the future. But then they say, yeah we dream but we don’t believe it. We have dreams when we sleep but we don’t remember them.
We live in the now and live day by day.
(私はベツレヘムに住む多くの人々に尋ねた:あなたは夢を持っていますか? 今、あるいは将来のために。 彼らは皆、私に笑って言った。我々は夢を持たない。 私は彼らになぜなのか訪ねました。夢があり夢を持っているのは普通ではないのですか? ノーと彼らは言います。夢は子供のためのものであり、愚かな人のためのものです。 我々は現実的で、夢は現実的ではない。
私はそれを聞いてとても変だった、私はいつも誰もが将来についての夢と希望とビジョンを持っていると思った。 しかし彼らは言います。我々は夢を見るが、それを信じていない。 我々は眠っているときに夢を見るが、覚えていない。
私たちは今を生きていて、日々を生きています。)
 
 
Summer school
My dream is to have a summer school outside Bethlehem.
Every time we have a summer school it’s inside these walls.
I just want to go outside, be free and have lots of room to play.
Just forget the wall, forget our prison. When I grow up I’m going to be a creator, I hope I have the power to change the wall and create it into something else. Something that is harmless, that doesn’t hurt people or imprison them.
(私の夢はベツレヘムの外にサマースクールを持つことです。
サマースクールはいつもこの壁の内側にあります。
私は外に出て、自由になり、遊ぶためのたくさんの部屋がほしいだけ。
壁を忘れたいだけ、監獄を忘れたいだけ。 私が成長したら私はクリエイターになります。私には壁を変えて、その中に何かを創るパワーを持っていると信じます。 無害な、人を傷つけたり投獄したりしない何かを。)
 
 
 
 
******
 
この壁によってイスラエルとパレスチナは分断され、パレスチナの人はこの壁の外に自由には出ることができません。
許可を取れば出れるようですが、イスラエル人による厳重なチェックが必要で、僕達観光客とは対応がまるで違いました。
そしてその許可証をもらえるのは限られた人のみ。
 
この壁と一緒に監視塔も存在し、パレスチナ自治区に住む人々の行動は常に監視されていました。
 

 
 
 
 
 
 

ドイツを訪問した時に見た、ベルリンの壁の一部。
首都ベルリンを西と東に分断し、人々の生活を遮っていた壁。
 
その時は思っていたより低く、そしてすでに過去の遺産でしたが、
今回は違う。
 
 
 
今まさに現在進行形で分断され、今も壁の建設が続いている。
 

 
思っていたよりずっと高い壁で、今ここに住んでいる人たちはこの壁を毎日見つめながら生活をしている。
 
 
 
パレスチナに住んでいる人は何を想いながら生活しているのか。
 
 
 
 
 
イスラエル側から見た何も描かれていない分離壁。
 
 
 
イスラエルに住んでいる人は何を想いながら生活しているのか。
 
今もなお壁の建設を続けている人はどんな想いで作業しているのか。
 
監視塔からパレスチナを監視するイスラエル人は何を見ているのか。
 
 
 
 
 
 
 
韓国と北朝鮮、南キプロスと北キプロス、旧ベルリンの壁と、特殊な国境を何度か見てきましたが、
これまでのよりもずっと深く、複雑で深刻な問題がここにはありました。
 
日本のような自由に海外に行き来ができて、争いのない国で育ってきた旅行者には理解できない問題。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「この壁は一生ここに存在し、一生この人たちを閉じ込めるんだろうか」
 
ベルリンの壁のように時代が解決してくれるのか。
 
 
 
そんな疑問を感じつつも、僕は次の街「ヘブロン」に移動しました。
 
 
 
 

 
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伊藤 祐矢

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伊藤 祐矢

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