【エクアドル地震】カノアという街までボランティアしに行ったら、まさかサーファーデビューしちゃった話。Vol.1

2016年6月24日~28日 カノア
 
 
 
 
夜行バスに乗り込んだ僕とハナテさんは、翌朝、無事カノアという街に着いた。
 
けど、降ろされたのはバスターミナルでもなんでもなく、道端。
 
 
・・・
 
ここがカノア???
 

なんか何もない町って感じ。
震災被害の状況もまだよく分からない。
 
 
とりあえずはっきりしていることは、やはり僕らを待ってくれているボランティア関係者はいないということ。
 
来たはいいけど、ツテも情報もなにもない僕ら。
でもきっとボランティアとして動いている人たちがいるはず。
 
 
とりあえず動いてみないと始まらない。
道行く人にボランティアの言葉をかけて聞いてみる。
 
 
するとなんと、どうやら日本人がこの町にいるとの情報が!
ボランティアで来ている日本人なのかな?
 
疑問に思いながらも、まずは道を聞いてとにかくそこに向かうことに。
 
途中、仮設住宅(と呼んでいいのか。。)が立ち並んでいる場所もあった。
 
「うおっ、やっぱりまだまだ現状はこんなもんだよな・・」
 
僕が訪れた時で、震災からすでに2か月ちょい。
それでも、仮設も仮設、ホームレスが住む場所のような家に住んでいる人たちばかりのようだった。
 
 
 
 
もう少し進むと今度はまた違った仮設住宅の集合地があった。

さっきと違ってビシッと並ぶその仮設住宅エリアは、政府が管理している場所のようだった。
書いてある文字からしておそらく中国からの物資支援のもののようだった。
 
やるじゃん中国。
 
 
とりあえず、そこを管理している軍服の人たちに日本人がいるのか聞いてみる。
が、知らないとのこと。
 
教えられた道をひたすら来たけど、ここでもないのか。
 
さっきの仮設住宅エリアの横にもまた、手作り仮設住宅があったので、そこでも聞いてみる。
と、そこにいたおじさんがすぐそこだよと、知っているようだったので連れてってもらうことに。
 
ホントにこんな場所のほうまで人が住んでいるのかと疑問に思いつつも、更に進んでいく。
 
 
すると、ちょっと歩いた場所に竹で囲ってある場所があり、その中に日本人の方がいた!!

おじさんにお礼を言い、その日本人の方に事情を説明する。
 
この町にはボランティアをしに来たこと。
キトで紹介してもらったボランティア団体に加わるつもりだったけど、詳細が分からなくなってしまったこと。
町で日本人の方がいると聞いて、ここまで来たこと。
 
 
突然の来訪者で、その方もびっくりしているようでした。
 
 
その方の話を聞いてみると、このカノアという町に10年住んでいるらしく、
もちろん2か月前の震災の被災者。
お名前はジュンさん。
10年前から、カノアに住んでいたエクアドル人の奥さんと住み始め、今はお子さん2人と計4人家族で、時々奥さんの妹やいとこ達と一緒に住んでいました。
もともと使っていた家が地震で壊れかけた為、ここに新しく仮設の家を作って住んでいるらしい。
 
 
 
てっきり、ボランティアでこの町に来ている日本人がいると思ったので、
まさかここに定住している日本人がいることにびっくりした。
 
 
 
ボランティアに関しても聞いてみたけど、
ボランティア団体がいくつかこの町に存在するようで、ただ、僕らが探していた団体はどれか不明。
 
とりあえず僕ら的には、どこであろうと構わなかったので、一番人手が足りてなさそうな所を聞いてみた。
 
たったの2、3日程度しか滞在するつもりがなかったが、来たからには全力で協力したかった。
たったの数日でも、なにか助けになることはあるはず。
 
 
そう思いジュンさんに聞いてみるが、ボランティア団体に関しては詳しくはなく、うーん、と言っているところに、
ジュンさんの奥さんが一言。
 
 
「ここが一番足りていないわ」
 
 
少し冗談も含んでいたみたいだけど、どうやらこの仮設の家も政府等の協力はなく、ジュンさん家族だけで整備しているようだった。
まだまだやることだらけ。人手が欲しいのは確かだった。
 
 
ボランティアに団体も個人も選ぶ対象なんてない。
震災で困っている人がいればその人たちの為に動く。ましてやその相手が同じ日本人ならばなおさらだった。
 
ハナテさんとも意見が一致して、このジュンさん宅のお手伝いという形でボランティアすることになった。
 
 
 
まさか携帯をスられたばっかりに、このような縁でここに住む日本人と出会い、ボランティアとして手伝いすることになるなんて思いもしなかった。
縁って不思議だわ。
 
 
 
 
こうして、ジュンさんら家族と僕とハナテさんのボランティア生活が始まった。
 
 
(次回に続く)
 
 

 

伊藤 祐矢

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伊藤 祐矢

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