先週末、9月20日(日)にフィリピン・セブ島で活動を行っている「NPO法人 セブンスピリット」さんが企画するスタディツアーに参加してきました。
http://seven-spirit.or.jp/
フィリピン・セブ島の貧困の実態を学んだ後、団体が行っている音楽教育に参加するというものでした。
 
NPO法人セブンスピリットとは
セブンスピリットは、世界の子ども達が子どもらしく、楽しみながら学べる環境づくりを行い、それによって子ども達の生きる活力、生きがいを生み出すべく活動しているNPO法人。(セブンスピリットHPより引用)
 
これ、たぶん普通に聞いたら全くイメージできないと思うんですよね。
当たり前の事過ぎて。
でも、その当たり前を当たり前にできない環境で生きる子供達を今回、目にしてきました。
 
このNPO団体は音楽教育を通じて、スラム街の子供たちに、社会や集団活動の中での自分の在り方、達成感、自己肯定感などを学ばせ、生きる「生きがい」を育む活動を日々行っていました。
 
 
フィリピンの貧困の実態
セブ島は綺麗なビーチやリゾート地としてのイメージが強いと思いますが、結局はアジアの発展途上国。裏の世界ではいまだに多くの人々が貧しい暮らしをしており、約半数の子どもは義務教育を終えることができないという。
 
セブ島におけるエレメンタリースクール(日本で言う小学校)への入学率は86%、卒業する割合は全体の75%。
ハイスクール(日本で言う中学・高校)への入学率は約57%、卒業する割合は全体の約52%。
義務教育でさえこの数字。
およそ半数の子供達が義務教育を受けずに社会へ出ることに。
そもそも学校に通っていないのだから、いつからが「社会に出る」ということなのかよく分からない。
しかも、上記の数字はセブ島全体でみたらの話。
今回訪問させてもらったスラム街に住むエリアを対象としたら2割弱だそうです。
 
日本なら、義務教育にあたる小・中学校の9年間の就学率はほぼ100%。
これがどれだけありがたいことだったのかなんて、日本人なら絶対に考えないだろうな。
事情はあるだろうけど、不登校児童とかでさえどうなのかなって思う。この数字みたら。
 
 
貧困層の暮らし
そういった教育を受けられない子供達は、大人になってもまともに働くことが出来ず
そうすると親が子供を十分に養うことができないので、
物乞いをし、盗みを働き、空腹を紛らわすためにドラッグに手を出しながら暮らしていく。生きるために。
衝撃的な話、ドラッグが10ペソ程度で手に入れることができ、(約30円程度)
そして一回ドラッグを体に取り入れれば3日間空腹を忘れることができるらしい。
一回の食事以下の値段で3食×3日分のお金を使わなくて済む。
食事<<<ドラッグ。

一日の生活費は2ドル以下が45%、1,25ドル以下が22%。
中学校とか高校とかで似たような数字を聞いたことがあったけど、ピンときていなかった気がする。意味分かんないなって。想像できなくて。
 
 
実際にスラム街の住人に話を聞きに訪問

まじかっていうくらい狭い家と家のすきまを通り、4、5回左へ曲がり右へ曲がり、どこまで行くの?っ所で入り口。いつの間にか家の中。
入ってみれば、2畳程度の広さで、ツアー参加者8人が縮こまって座れるかどうかくらいの狭さでした。
想像できていなかったけど、これは想像できん。まじか。。。と思いました。
一日2ドル以下、1,25ドル以下の生活。
浴室も台所もなければ、トイレすらない。
 
 
そんな空間の中で、スラム街に住む1人の母親に質問をさせていただきました。
参加者が色々と質問する中で、自分も素朴な疑問をぶつけてみました。
 
「幸せですか?」
 
母親の答えはイエス。
子供が元気でいてくれれば私は幸せだし、逆に子供が病気などで苦しんでいれば私も辛いと。
 
子供の存在が幸せと感じるのは確かに分かる。
だけど、正直疑問は残ります。
幸せとはなんなのか。貧しいとはなんなのか。貧困とはなんなのか。
 
 
 
スラム児童への音楽教育
午前中のスラム訪問を終え、午後はセブンスピリット活動拠点となっている音楽スタジオでのボランティアへ。
ボランティアと言っても子供達と一緒にご飯食べて、リズム合奏したり、彼らの演奏を見学させてもらうといったもの。
 

そもそもなぜ音楽教育なのか。
 
先にも述べた通り、フィリピンの子供達の多くが学校に行けないため、教育というものを受けることができていない。
教育を受けていない子ども達は集団生活に慣れておらず、社会の中で協調性を持って行動することができない。
スラムの中で時間を持て余した子ども達の多くが犯罪やドラッグに手を染める。
結果、貧困のループからなかなか抜け出すことができない。

こういった子ども達に音楽やスポーツを通した情操教育を行うことで、小さなハードルをいくつも用意し、達成感を感じる機会を与える。
その積み重ねで自分の存在価値を感じ、自己肯定感を得ることになる。
生きることそのものに必死になるんじゃなく、生きること=喜び。
 
 
#フィリピン#勉強#マクドナルド#少年
突然ですが上の画像、Facebookで目にしたことある人多いんじゃないでしょうか。
 
マクドナルドの店の明かりを頼りに勉強に励む少年の姿。
世界には満足に学校も行けず、家には勉強する明かりさえない子供達も存在するということ、いかに自分が恵まれた環境の中にいるにもかかわらず、勉学などをぞんざいに扱っているか
たった一枚の写真が大きな反響を呼びましたが、実はこの写真はフィリピンのセブ島で撮られたものらしいです。
セブンスピリットでも紹介されていました。
 
この少年はマクドナルドの商品についてくるおまけのおもちゃが欲しかったらしいんです。
でもお金が無いからマクドナルドの商品は買えない。
そこで店員が少年に条件を出しました。
もし、テストで100点取ったらおもちゃをあげるよと。
少年はその日から写真のように一生懸命勉強するようになったようです。
 
打ち込めるものが身近に存在することによって自分の目標が明確になり、スラムにある犯罪などの誘いに負けること無く、多くの学び、生きる喜び、達成感を得る機会になるということです。
 
セブンスピリットは、こういったことを音楽を通して子ども達に教えていました。
 
事実、セブンスピリットに来る子ども達と数時間過ごしましたが、びっくりするくらい子ども達の目がキラキラしていて、活発的で生き生きしていました。
そして楽器を演奏する真剣な姿と楽しそうな姿がとても印象的でした。
 
一緒にリズム合奏を練習・演奏し、最後に日頃の楽器練習の成果を3曲ほど見させてもらいましたが、この子達が本当にあのスラムに住んでいる子ども達だとは思えませんでした。
 
 
(最後に聞かせてもらった演奏も載せようと思いましたが、うまくいかないので割愛します。)
 
 
 
 
世界のリアル
セブで普通に観光だけしてたら触れることがないセブの裏の一面。
世界一周のテーマの一つでもある、「世界のリアルを知る」という面では、今回のスタディツアーの参加は大きく踏み込んだことだったのかなーって思います。
フィリピンでの生活の中で日々感じることがありますが、今回もたくさんのことを考えさせられました。
 
こういった貧困の根本に立ち向かっている、このNPO法人セブンスピリットの活動は本当に素晴らしいことだと感じました。
こういう団体が世界中に増えれば、世界から貧困というものが減っていくのかなーって思います。
 
そういえばこのセブンスピリット、クラウドファンディングを通じての寄付金で出来たみたいです。そしてその後の活動資金も寄付金・募金が全て。
今回みたいにボランティアとして参加することも、参加費が活動資金になるということで。そんなことでもいいから少しでも関わることも大事なんだと思います。
 
セブに来る機会のある方、少しでも興味のある人がいたら、こういったツアーに参加することをぜひオススメしたいです。
日本の特に若い人に経験してほしいなぁ。
http://seven-spirit.or.jp/

伊藤 祐矢

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  • こんにちは、確かに日本では考えられない状態が当たり前のように行われてるのが怖いね。

    勉強になります。

    今、あるべき姿に感謝と、最近思う。
    後悔ないように生きたいを少しでも実践したいと思います。

    • 恵まれた環境にいるので、それを最大限に生かしたいですよね。
      後悔ない生き方、僕もしていきます。

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