インド・ムンバイで昏睡強盗に遭ったんだけど、盗まれた物より得られたモノの方がたくさんあった話。

こんにちは。伊藤です。
 
かなり久しぶりの投稿。
 
 
 
さて、お題の通りとFacebookでも投稿してましたが、インドの都市ムンバイで昏睡強盗に遭遇しました。
1ヶ月前(もうそんなに月日経ってるのか!)の、2月19日の話です。
 
パソコンも無くなってしまったのでブログが止まっていたという話です。
 
 
そんなわけで久しぶりの投稿。
まずどんな記事から書こうかなと考えたけど、やっぱりあの日のことを振り返ることから始めようと思います。
今回の件で感じたこと、得たもの、同じ被害者が出ないように犯行手口のシェア。
いろいろ含めて記事にしていきます。
 
 
 

あの日

 
インドにある都市ムンバイに到着して2日目のことでした。
 
初日こそ現地の宿を予約して、いつもどおりにゲストハウスを活用していましたが、
実はこの2日目の夜は、現地で働く日本人の方の家に泊めさせてもらえることになっていました。
 
ムンバイはインドの中でもかなり勢いのある都市です。まだまだ発展途上という点は否めませんが、インフラ面などから見ても将来に期待できる場所だと僕は感じたくらいです。
そんな都市では宿泊価格が他の地域より高く、どうにかして費用を抑えたいと考えてた僕は、旅友のツテを借りてその方を紹介してもらってました。
(タイ・マレーシアで出会った世界一周中のたくやさんのブログ旅ばかたくやの世界一周まずリポート!を見て連絡に至る)
 
その時は、そのアポ取りが不幸中の幸いとなり、そしてその日本人の方が命の恩人になるとは思ってもいませんでした。
 
 
 
連絡では夜20時以降に来てほしいとのことで、それまでムンバイを観光することにしました。
初日泊まっていた宿をチェックアウトし、荷物(メインのバックパック)だけは夜まで預かってもらえることになりました。
とはいっても、フロントの隅っこにポンっと置くだけだったので、ちょっと怖いなーって思い、
普段メインのバックパックに入れている現金・カード類の貴重品をサブバックに入れなおし、そして出かけることにしました。
 
 
ムンバイの発展ぶりに感動しつつ街をぶらぶらし、ムンバイの象徴建築物とも言える「インド門」を観光し、暑いし宿の近くまで戻ってどっかWi-Fiの使えるカフェで時間潰そうかなーって考えてた時です。
 
小太りで坊主に近い短髪のインド人に話しかけられました。
 
「Hello!日本人?君さっきインド門で見たよ」
 
インド内だとどこ行ってもこうやってフランクに話しかけられるので、
またか。はいはい。って感じでシンプルな会話をしていました。
 
 
話していてちょっと感じたことは、これまでのインド人のようにガツガツあんまりうるさく話しかけてくる感じではなく、静かなしゃべり方で身なりもキレイ目の白シャツとジーンズに革靴といった感じ、
どうやらここの出身じゃなく、長期休みを利用して1ヶ月くらいインドを観光しているとのこと。
過去には、ドバイやら香港やら数か国に旅行も行ったことがあるらしい。
そこそこお金のかかる国だよね。
iPhone6か6sも持っていました。
割りとお金に余裕のあるインド人なのかな?って印象でした。
 
 
チャイもご馳走してくれたりしたけど、そんな話もあってか、
(まあ、あとでチップ請求されたりなにかでボッタクってくるようではなさそうかな)
って思ってしまっている自分がいました。
 
今思うとこの時にすでに気が緩んでたのかなって思う。
ただ、今回はボッタクるというレベルの話ではなかったけど。
 
 
その後もマリーンドライブ(海沿いの道を車でドライブできるムンバイの観光アクティビティ的なやつ)にも連れてってくれて、
タクシー代払う場面では構えたけど、一切お金を要求されることはなく、そのまま夕方時だったので夜ご飯も誘われることになりました。
 
 
そのインド人が買い物もしたいからということで、場所は大型のショッピングモールでした。
中にあるショップは日本と同価格ほどするような高級ショップで、まあ裕福層のインド人しか来ないだろうなってとこです。
 
トイレを済ませ、フードコートで食べようということになりました。
日本にあるフードコートと同じような状況で同じような店舗です。人もそこそこ座って食事していました。
 
時間は18時。20時には宿のところに戻っていたいから、この飯が終わったら解散だなーっとか考えてました。
 
フードコートに着き、
適当な空いている席に座り、座るやいなや荷物は席に置きそのインド人は無言で注文カウンターの方に立ち去っていきました。
座っている席からは注文カウンターは見えない場所でした。
 
ん?とか思いつつも待っていると、マクドナルドのハンバーガーと冷たいコーヒーを持って戻ってくるインド人。
 
(こっちのリクエスト料理は聞かないんだ。こういう感覚はインド人のある意味すごいところだな)
とかのんきなことを思っていました。
 
いざ食べ始めるくらいの時に、一つ後ろの席(壁際)に他の客が座っているにも関わらず
インド人が「席を変えよう」と言って、その客に変わってくれないかと話しかけて、席を移動することになりました。
僕はその時、なんの疑問も感じていませんでした。
 
 
その後ハンバーガーを食べながら、この後の予定を話してましたが、やたらとコーヒーを飲んで飲んでって催促してきました。
僕はなぜか、遠慮しないでって意味での押しだと思い、勧められるがままにそのコーヒーを飲み干してしまいました。
 
 
その後すぐです。
たぶん感覚的に1分程度くらい。
 
 
(あれ?なんかクラクラするなぁ)
 
お酒を大量に飲み過ぎて、歩けないくらいフラフラになったような、あんな感じです。
もちろんお酒なんか飲んでいません。飲んだのはコーヒーだけです。
 
 
気がついた時にはそのインド人はいなくなってて、かばんを見るとパソコンと財布類が失くなっていました。
思考能力がイカれてたようで、パソコンと財布類が無いなと思ったにも関わらず、そのインド人に「やられた」ってその時点では感じていませんでした。
あれ?いないなぁ、あれ?無いなぁっていう感じ。
 
立ち上がろうとするとフラついて座るしかなかったので、ただただ座っていただけ。
 
そこからはほんの少し断片的に記憶があるだけで、ほとんど覚えていない。
寝てはいないので睡眠薬ではなかったと思う。
 
 
 
 
思い出して出てくるのは、ほんの数秒ずつの映像。
 
座っていた後に思い出す映像は、
近くにいた警備員であろう人に話しかけている自分。
でも会話の内容は全く覚えていない。
 
次に出てくるのは、
おそらくその同じ警備員に言われるがままにリキシャに乗る自分。
 
次に出てくるのは、
おそらく最寄りの警察署であろう場所で警察官に事情を説明している自分。
何回もこっちの話を聞き直されてたような気がする。たぶん呂律が回っていなかったんだろうな。
 
次に出てくるのは、
若いインド人4人組と一緒にいて、内1人のバイクの後ろの席に座って、落ちないように気をつけている自分。
肩には宿に預けていたはずのバックパックを背負っていました。
 
最後に思い出すのは、
事前に連絡をとっていた日本人の方の家の前に着いた時。
気がついたら着いてた。
 
その時は安堵なんて感情はありませんでした。
あ、着いてる。ってくらい。
本当に思考能力がなかったんだと思う。
 
ただ、そんな状態でよく辿りつけたなって自分でもびっくりする。
バックパックを取りに行った記憶がないのに持ってるし。
 
 
 
 
 
 
以上が事件の状況。
 
 
正直、盗難にあった当日はフラフラの状態だったので、徐々に盗られたんだって自覚を感じてきてもそこに絶望感や悔しいとか感じることは無かった。
 
冷静になった次の日。(朝起きて、1秒くらい「あれ?ここどこだ?」って思った)
再度警察署へ行き盗難にあったことを説明している間、手続きで待たされている間、
落ち着けば落ち着くほど、悔しさと情けなさが押し寄せてきました。
 
 
 
なんで一緒にご飯なんて行ったんだろう。
 
なんで好き勝手に注文に行かせたんだろう。
 
なんで自分の目の届かないところで買ってきた物を食べたんだろう。飲んだんだろう。
 
なんでわざわざ席を変わった時に疑問に思わなかったんだろう。
 
なんでコーヒーを勧めてくるのに疑問に思わなかったんだろう。
 
フードコートで人がたくさんいるから大丈夫って無意識に思ってしまったんだろうか。
 
裕福そうなインド人だと思って警戒心が緩んでしまったんだろうか。
 
せめてメインバックに貴重品を分けて置いておけば。
 
ご飯行く前に切り上げて去っていれば。。。
 
 
 
あの時ああしておけば、せめてこうだったら、という後悔と
気が緩んでた、警戒心のなかった自分が本当に情けなかった。
バカ過ぎでしょ。
防ぐタイミングはいくらでもあったはずなのに。
きっと、こいつはイケるって思わせてたんだろうな。
こんなやつがいるから日本人が狙われるんだろうな。
日本人の恥。ホントに情けない。
 
 
警察署にいる間は自己嫌悪感が半端無かった。
 
 
 
 
 
 
そんな気持ちになりながらも、6時間くらいかけてやっと盗難証明書がもらえた。
カードも止めた。
宿に戻り一応一段落。
 
 
パソコンが無くなったのでブログもアップできない。
ということで一段落着いたし、安否確認も兼ねてFacebookでそんな状況の近況報告。
 
 
 
嬉しいことにたくさんのメッセージをもらえました。
 
そしてそのメッセージで一つ気付かされました。
 
 
「あ!おれ生きてるわ!」(笑)
 
命があってなにより。まさにその通りじゃん。
命さえあればまた次の一歩が踏み出せる。
 
 
そしてそれだけじゃなかった。
もう一回冷静に考えてみると、盗難に遭ったことは最悪だけど、
そのあとの状況って最高に良かったと思う。
 
 
盗難証明書はもらえた。海外保険は入っている。あとは請求して手続きすればその分のお金は戻ってくる。
カードは再発行すればいい。そしたらまた使える。
パスポートやカメラは盗られていない。写真無事。
 
そしてそれ以上に
『助けてくれた人がいる』
 
今回たまたま事前に連絡してて、無意識の内に家までたどり着き、そしてなにからなにまでお世話になることになったムンバイ在住日本人の方。名前は坪和さん。
 
今思うと、この人がいなかったらどうなっていただろうか。命の恩人と言っても過言ではないと思う。
 
フラフラの状態で初対面した僕を、とても親切に迎えてくれました。
夜遅くに到着し事情を説明したら、
当たり前のように、とりあえずって言って現金を貸してくれたり(その時は思考が乏しく当たり前のように受け取ってた気がするw)
警察署まで送ってくれるし
古い使っていないスマホを貸してくれたし、
1ヶ月でも2ヶ月でもいつまででも居ていいよって言って下さったり、
ご飯もあるやつ適当にやっちゃっていいよっていうスタンスだったし、
帰りの航空券代を建て替えてくれたり、
 
おかげでゆっくりと今後どうするか考えることができたし、なんとか現金も確保できたし、スマホでいろいろと調べ物できたし、宿費に悩む必要はなかったし、一時帰国の手配も立てれた。
 
本当になにからなにまでお世話になりっぱなしでした。
頭あがんないです。
マジでお世話になりました。
 
また、インターンとして来ていたゆういちくん、また別のインターンだけどのぶひろくん、友人?の高橋さん。
との出会いもあり、坪和さんと一緒にお酒を飲みながら、今回の件を早くもネタにしつつ(笑)笑いあえたのがとても楽しく、何事もなかったかのように気力を持ち直すことができました。
 
それに、
日本とは全く環境の違う場所でチャレンジしている、坪和さんや彼らの姿や考え方にも大きな刺激も受けました。
(海外で働く日本人起業家ということでインタビューもさせていただきました。
『今日1日,日本の為に何をしたか』日本人の為にムンバイで不動産業を営む日本人、坪和寛久さんにインタビュー。
 
  

何かを失うと何かを得れるのかもしれない 

今回の件で、僕はパソコンとクレジットカードと現金を失いました。
盗られてショックはでかかったしそれなりの手間も発生してしまったけど、今回の件があってよかったと思えてくるようになりました。(もちろんもう2度と経験したくない)
 
無くなったものは所詮「物」です。どうとでもなります。
どうにもならなものって、「命」だったり「時間」だったり「経験」だったり。
そういう意味では、ヘタしたら命に関わることだったのかもしれないしかなり反省です。自分の判断の甘さでした。
 
でも、この体験が元になって自分がもっとしっかりするようになれば、「経験値」となって返ってくるだろうし、その「経験」が人を成長させたりする場合もあるだろうし。
よくある言葉だけど、この経験があったからこそ人に感謝することができたとも思う。人の繋がりもそう。
 
悪いことがあれば良いことがある。
旅をしていると騙されたり、ぼられたり、イラつくこともたくさんあるけれでも、それ以上に色んな人に助けられたり感謝することがたくさんあります。
失ったもの以上に、お金では計ることのできない多くのものを今回得られたのかなーと。
 
 
まあ、そうやってポジティブに考える事も大事ですよね(笑)
過去の過ち・後悔を引きずるよりもまずは楽しまないと!
 
そんなことを感じさせられた事件でした。
 
 
 
なにはともあれ。
一生のネタができて良かったかな(笑)
 
皆さんも、十分注意して旅してくださいね!!!!!!

 


人生に悩んでいる方

コーチングというものに出会い、コーチングを通して自分自身を大きく理解し、たくさんの経験や悩みや葛藤などを経て、ここにたどり着くまでの事を赤裸々に綴っています。

僕のこれまでの経験や考えてきたことを伝えられたら嬉しく思います。
少し長いですが、お楽しみいただけると嬉しいです。


6 件のコメント

  • お疲れ様です*\(^o^)/*

    命あっての物種、日々勉強、読んだ俺も勉強になりました。

    まさに、そなえよつねに、用心には綱を張れですね(笑)どこかの会社で聞いたような(笑)

    ちゃんとお家で瞑想しましたか?

    • コメントありがとうございます!

      少し気を緩めたら大事故に繋がりますからね(笑)
      旅も「安全第一」ということなんでしょうね。
      常に備えて生きていきます。

      瞑想、
      最近サボり気味っす・・・
      がんばりまーす!

  • うわ~こんな感じだったのかぁ。こわい。
    私もゆうやくんと同じ状況にいたら、騙されただろうな…
    無事で何より!得られたもの、大事にしなきゃね!勉強になります。

    • いや〜、たぶん俺ぐらいだよ騙されるバカは。。。
      とーこさんもホントに気をつけて!
      当たり前のことに気をつけてれば大丈夫!
      また世界のどこかで会おう!^^

  • 初めまして!
    私もバックパッカーでインドを旅していました!全く同じ手口で、もしかして同じ犯人?と思うくらい一緒の流れで騙されました(;o;)。
    場所はゴアのショッピングモールでしたが。

    おととい日本に着いて、再出発いつできるだろうか超悩んでいる最中でこのブログにたどり着きました(^q^)笑
    お互い本当に生きていて良かったです笑
    これからも気をつけて旅楽しんでください(^_^)

    • のぞみさん、はじめまして!
      うわ~、同じようにやられちゃったんですね。。。
      気持ちすごい分かります。もしかしたら同じ犯人がゴアに行って同じことしてるのかも。。

      お互い命があってなにより!!日本で一旦落ち着いて美味しい日本食たくさん食べて(ちょっとうらやましい笑)、気持ち整えてまた再出発しましょうね!命さえあるんであれば旅は続けられます!
      のぞみさんの再出発楽しみにしています。

  • 2006a05@gmail.com へ返信するコメントをキャンセル